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  • 龍男 島田

内と外へ広がるコミュニティ。花園アレイならではの交流にある価値



メンバーの軌跡を残す「花園アレイアーカイブズ」。今回は、花園アレイが設立当初から入居している、安彦 賢(あびこ けん)さんをご紹介します。東京大学在学中に株式会社PalledAdを立ち上げ、屋外広告の事業を展開している安彦さん。「花園アレイでの交流が楽しい」と語るその背景や、花園アレイに感じている価値などについて伺いました。



入居時期
2020年5月-現在

安彦 賢(あびこ けん)
株式会社PalledAd(パルダッド) 代表取締役社長
東京大学文学部出身。高校在学中に株式会社DiverFrontの設立に参画し、広告管理を中心に婚活情報メディアの運営に携わる。 2018年5月、当社を設立。個人が所有するスペースを広告枠として売買可能にするプラットフォーム事業を立ち上げる。 東京大学が主催するものをはじめ多数のビジネスコンテストに出場し優秀な成績をおさめる。 2019年8月より現事業を展開。

ー大学在学中に起業されたとのことですが、どのような事業をされているのでしょうか?


安彦:一言でいうと、“屋外広告版SUUMO”のようなことをしています。


街中にある看板や電車内の広告、デジタルサイネージなどの屋外広告を、可視化されたデータをもとにインターネット上で簡単に注文することができる「AdVice」というサービスを展開しています。


屋外広告は4マス広告等よりも比較的安価に使うことができる一方で、効果の可視化がされてこず、注文の仕方が煩雑であるという課題がありました。「AdVice」は、独自のアルゴリズムの運用と人流データ等の掛け合わせによって効果を可視化し、それをオンラインプラットフォーム上で確認して購入することができるという、従来の課題を解決するサービスです。



ー花園アレイに入居した背景を教えてください。


安彦:花園アレイができる前のまだ学生だった頃、花園アレイをサポートしている三井不動産の方とお話しする機会があったんです。その中で「赤札堂の社員寮を改装して、東京大学と東京藝術大学系のスタートアップやアトリエを集めたオフィスを作りたい」という話を聞いたのがきっかけでした。


当時、コワーキングスペースは借りていたのですが、自分たちのオフィスが欲しいと思っていて。花園アレイは大学の近くにできるし家賃も高くないので、オープンと同時に入居することにしました。


ー入居前に期待したこと、実際に得られたものは何でしたか?


安彦:アートにはあまり詳しくないのですが、アトリエが入居していたり、キュラトリアルスペースである「The 5th Floor」があって展覧会が開かれていたりするのが面白そうだと思っていました。実際、見に行けるときには結構行っていますね。


入居してからは、アートや建築関係など、普段なかなか関わる機会のない人との交流が生まれていて、仕事ではないところでの幅が広がったように感じています。


花園アレイでは、入居していない方も含めいろいろな人と交流できる機会が定期的にあります。例えば、屋上で育てているハーブ摘みのワークショップや、「トワイライトタイム」という交流会などです。僕はハーブ摘みには毎月行っていますし、トワイライトタイムは2ヶ月に1回くらい行っていますね。最近は新しくカフェができて、そこでもつながりができています。こうした交流は、仕事とのつながりは抜きにして純粋に楽しいです。


また、そこで生まれる会話の中で、アーティストさんの悩みがどんなところにあるのかや、どんな気持ちで作品を作っているのかなど、普段は触れることのないものに触れることができています。こうした機会は他のコミュニティではなかなかないことだと思うので、大切にしています。


ー花園アレイならではの魅力は何だと思いますか?


安彦:他のオフィスとの違いはコミュニティにあると思います。ここでのコミュニティは、入居者間の繋がりを基盤として開かれているのが特徴です。入居者が固定でいる、というのはやっぱりコワーキングスペースとの大きな違いだと思いますね。


入居者同士で積極的に交流が行われていることはもちろん、作品を展示している方は毎回変わりますし、トワイライトタイムに外部の方が参加されることもあります。このように、がっちりとした入居者間での繋がりがありつつも、そこから新しいつながりが外に広がっているところは、花園アレイにしかない価値だと感じています。


ー花園アレイに求めることはありますか?


安彦:しいて言えば、これから冬になるとハーブが枯れて摘めなくなるのが寂しいので、冬でもできるアクティビティがあるといいですね。


夏だったら屋上でビール飲んだり、トワイライトタイムを楽しんだりできますけど、これまでの冬は特に何も行われてこなかったので…。もっと冬ならではのことができたらいいな、と思います。


ー安彦さんの今後の展望を教えてください。


安彦:PalledAdは資金調達をしているので、IPOに向けて引き続き頑張っていきたいです。


もともと、“広告版メルカリ”のようなことがしたくて今の事業を始めたんです。飲食店の壁であったり、極論を言えば誰かのバッグの側面であったり、そういった誰しもが持っている余ったスペースを広告枠にして、誰でもオンラインプラットフォーム上で売買をし広告を出すことができる。


でも、最初からそのような個人レベルの広告枠の市場を開拓するのは難しく、そこにある余ったスペースの値段や価値、効果も分かりません。なので、既存の屋外広告市場でそれらを可視化することから始め、その事業を通じて“広告版メルカリ”という目標に近づいていきたいと考えています。




また、起業とアートには似ている部分があると思っています。僕自身、事業を行う中で“自分の作品”のような感覚を持っている時が多くありますし、アーティストの自分の作品に対する思いなどを聞いてると、生みの苦しみや、発想やセンスの部分などで似ているように感じます。専門的なところは分からないことがほとんどですが、そんな中でも少し通ずるところがあるのではないかと思いますね。


そういった意味でも、アーティストの方々とたくさん触れ合いたいと思っていますし、それも含めて今後も花園アレイを楽しんでいきたいです。





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